平成20年新調 宮本町(岸和田)正面土呂幕
夏之陣 道明寺合戦 薄田隼人
大坂夏之陣の名場面。下唇を噛み鬼の形相で松平忠昌を睨み付け鉄棒で馬を一撃する。
この土呂幕は、平成二十年の作品で、木下彫刻工芸の職人時代のもの。
我々彫刻師は、下絵を描く際、その物語を理解し、錦絵や昔の彫刻を参考にしながら描くのですが、この場面は史料が少なく、苦労したことを思い出します。この場面を描いた錦絵も一枚しかありませんでした。
史料が少ないにもかかわらず、この薄田隼人がなぜ地車彫刻ではよく彫られているのか。それは、おそらく講談の影響が大きいと考えられます。
歴史的にはそう有名でもない薄田隼人でしたが、講談では