彫師の木下賢治です。
この度、地元岸和田の浪切ホールで、弟子の河合申仁君らが、我々の彫刻の源流である淡路彫の魅力を紹介する展覧会を企画しているとのことで、一言ご挨拶させていただきます。
現在、岸和田その近隣で地車彫刻で活躍している彫師さんは、皆さん淡路彫の名匠・名人といわれた先人の技の流れを受け継いでいます。
淡路島の生穂という片田舎から播州姫路の名匠に師事し高度な技術を彫物に刻んだ、その名匠は開藤太郎名人であります。そして、岸和田で開名人と供に淡路彫りで活躍した彫刻師たちは、松田正幸名人と、私の父、木下舜次郎であります。
淡路彫の魅力とは何か。優美な流れその中にも力強い迫力のある彫り方、これが、私の思う淡路彫りです。皆さまは、どのように感じられますでしょうか。
優美で迫力のある淡路彫の素晴らしい技術を受け継ぎ、その流れを汲む彫師が今も頑張って地車に彫物を刻んでおります。 当日は、その彫刻の魅力を実感していただき、先人の名匠に想いを馳せ、時間の許す限り鑑賞していただければと思います。
ご盛会を祈っております。
木下彫刻工芸 彫師 木下賢治